以前ThinAppをWorkspace ONE Accessで配信するようにパッケージングするという内容の記事を書きました。(コチラ)
今回はその続きになります。どちらかというとこちらが本題ですが。
前回までで配信するためのThinAppアプリの準備はできましたので、
今回はWorkspace ONE Access側の設定から実際にデバイスでThinAppアプリを配信・起動するところまでやってみたいと思います。
大まかな流れは以下の通りです。
1.事前の環境準備
1.1.WS1 Access Connector Virtual App Serviceのインストール
1.2.ThinAppリポジトリの作成
1.3.WebDAVサーバへのThinAppアプリの配置
2.WS1 AccessのThinApp連携設定
3.ThinAppの同期と割り当て
4.動作確認
4.1.WS1 Access Desktop Clientのインストール
4.2.ThinAppアプリの配信と実行
Appendix.ThinAppのEXEファイルを他のPCで実行すると...
1.事前の環境準備
前提条件となる諸々の環境の準備をします。
WS1 AccessからThinAppアプリを配信する場合、WS1 Access Desktop Clientというアプリケーションをデバイスにインストールする必要があるのですが、このアプリには動作モードがいくつかあります。
今回は「HTTP_DOWNLOAD」というモードを利用して配信するため、クライアントデバイスからアクセス可能なWebDAVサーバを準備し、そこにThinAppアプリを配置します。
その他、動作モードに関係なく必要なもの(つまりThinApp連携するために必須なもの)も準備をしていきます。
1.1.WS1 Access Connector Virtual App Serviceのインストール
まずはコネクタサーバの準備ですが、WS1 Access Connectorのインストール時に「Virtual App Service」をインストールしておきます。
【補足】
このサービスのインストールの前提条件としてコネクタサーバをドメイン参加させておく必要があります。
1.2.ThinAppリポジトリの作成
コネクタサーバからアクセスできる共有フォルダにThinAppアプリのEXE形式の実行ファイルを配置します。ThinApp連携をする場合はクライアントの動作モードに関係なく必須となります。
今回の環境では、ADサーバをThinAppリポジトリと兼用にしています。
「ThinApp」というフォルダを共有フォルダにしておき、その配下にアプリごとのフォルダ、またその配下にアプリの実体を配置してます。
1.3.WebDAVサーバへのThinAppアプリの配置
WS1 Access Desktop ClientをHTTP_DOWNLOADモードで利用する場合、クライアントデバイスがWeb上からThinAppアプリを取得できるようにしておく必要があります。
ちなみにHTTP_DOWNLOADモードの特徴として、ドメイン参加していないPCでもThinAppアプリを利用できる点があげられます。
今回はWindows Serverの機能であるIISでWebDAVサーバを構築し、クライアントデバイスからアクセスができるネットワークに配置していますので、ここにThinAppリポジトリに配置したものと同じアプリをアップロードしておきます。
これで事前準備的な構成は完了したので、WS1 Accessの設定に進みます。
2.WS1 AccessのThinApp連携設定
Horizon連携に近いイメージでThinAppをWS1 Accessに連携します。
WS1 Access管理コンソールで、「カタログ」>「仮想アプリケーションのコレクション」をクリックします。
「新規」をクリックします。
以下を設定して「次へ」をクリックします。
パス:ThinAppアプリが保存されている共有フォルダ
共有のユーザー/パスワード:「パス」にアクセス可能なユーザの資格情報
ベースダウンロードURL:ThinAppアプリが保存されているWebDAVのURL
【補足】
WS1 Access Desktop ClientをCOPY_TO_LOCALモードで利用する場合は「パス」の設定をベースにThinAppアプリをデバイスのローカルに保存します。
今回はHTTP_DOWNLOADモードなので、ベースダウンロードURLが重要です。
サマリを確認して「保存」をクリックします。
資格情報が間違ってたり、WS1 Access Connectorから「パス」に設定したパスにアクセスができなかったりするとここでエラーが表示されます。
WS1 AccessにおけるThinApp連携設定は完了です。次に同期の実行と割り当て設定を行います。
3.ThinAppの同期と割り当て
仮想アプリケーションのコレクション画面で対象のThinAppリポジトリにチェックを入れて「同期」>「セーフガードを使用しない同期」をクリックします。
割り当て設定はWebアプリケーションの割り当てと全く同じです。
対象アプリにチェックを入れて「割り当て」をクリックします。
4.動作確認
WS1 Access Desktop ClientのインストールおよびログインからThinAppアプリの実行までを一通り実施します。
4.1.WS1 Access Desktop Clientのインストール
コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行し、動作モードを「HTTP_DOWNLOAD」に指定してインストールします。
VMware-Workspace-ONE-Access-Desktop-22.09.00-20456045.exe /s /v/qn INSTALL_MODE=HTTP_DOWNLOAD POLLING_INTERVAL=60
タスクトレイのWS1 Accessクライアントをクリック後、「ログイン」をクリックします。
ログイン画面などはブラウザでログインするときと同じです。ただし、ブラウザにリダイレクトされるわけではなくあくまでWS1 Access Desktop ClientアプリのUIで実行されます。
ログイン完了後は特にタイムラグもなくThinAppアプリの配信が始まりますが、文章の作り上ここでWS1 Access Desktop Clientのインストールを完了として、最後にThinAppの配信と実行するところを実施します。
4.2.ThinAppアプリの配信と実行
【補足】
Licensed to…に表示されているのはパッケージングしたPCでThinApp Packagerをインストールした際に設定したライセンス名です。
WS1 Access経由で配信されたThinAppアプリが起動できました。
ただし、このアプリで特に何をするというわけではありません...起動できたということが重要なのです。笑
Appendix.ThinAppのEXEファイルを他のPCで実行すると...
パッケージングを実施した時の記事にも記載しましたが、仮にThinAppアプリのEXEファイルをWS1 Access Desktop ClientをインストールしたPCから他のPCにコピーして起動しようとしても、正規のルートでないため起動ができません。
では、WS1 Access Desktop ClientがインストールされているもののWS1 Access管理コンソール側で割り当てされていないユーザがなんとかThinAppのEXEファイルを手に入れて実行しようとするとどうかというと、こちらは割当設定がされていないので起動ができません。
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