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SensorsでmacOSからもデバイス情報をキャッチ


このブログは、vExperts Advent Calendar 2022の20日目の投稿です。

以前、Workspace ONE UEMのSensorsという機能でWindowsデバイスから様々な情報を取得できるという投稿(コチラ)をしましたが、Sensorsという機能はmacOSでも利用できます。


改めてSensorsという機能について記載しておくと、WS1 UEMでは管理下のデバイスから様々な情報を収集することでIT管理者がデバイスの情報を把握しておくことができます。
特別な設定をせずともデバイスをUEMの管理下に置くだけで収集できる情報はたくさんあるのですが、用途や要件によってはデフォルトで収集できる情報では十分ではないケースもなくはないです。そういった場合にこのSensorsという機能を利用することで対応ができる可能性があるのです。


基本的な考え方はWindows10と同じで、デバイスに対してコマンドを送信してその結果を応答として返してもらうというものなので、macOSのターミナルアプリで実行できるコマンドでスクリプトを作成すれば標準では取得できない設定値なども取得できることになります。


ここでは、macOSでリモートログインが有効になっているか否かをSensors機能で取得してみたいと思います。デバイス上でGUIで見ると以下の箇所ですね。


デバイス上で見れば上記画像のようにGUIでサクッと確認が出来ますが、WS1 UEMで標準的に取得される情報にはこの設定値の状態は含まれていないので、Sensorsで引っこ抜いてみるというワケです。


大まかな流れは以下の通りです。
    1.macOSデバイス上のターミナルアプリで設定値取得可否の確認
    2.Sensorの作成・割り当て
    3.動作確認

1.macOSデバイス上のターミナルアプリで設定値取得可否の確認

まずは、macOSデバイス上でターミナルアプリを開いてリモートログインの設定状態を取得できるコマンドを探してみます。どうやらこのコマンドで取得ができるようです。
>sudo sysytemsetup -getremotelogin


2.Sensorの作成・割り当て

コマンドがわかれば後はSensorsの設定をして割り当てるだけです。
WS1 UEMの管理コンソールで、「リソース」>「センサー」をクリック後、「追加」>「macOS」をクリックします。


「1 全般」画面で、任意の名前を設定して「次へ」をクリックします。
名前に使える文字は小文字、数字、アンダースコアのみのようです。


「2 詳細」画面では、「コード」にmacOSのターミナルアプリで実行してリモートログインの設定状態が取得できたコマンドを入力します。デバイス上で実行するときはsudoを使いましたが、Sensorsに入力するコマンドの内容としてはsudoは不要でした。逆に、sudoを使うとエラーとなってしまいましたので、今回入力する内容は「sysytemsetup -getremotelogin」だけです。
入力したら、「次へ」をクリックします。


「3 変数」では、今回は特に設定することはないので、「保存して割り当て」をクリックします。


割り当て設定画面は他の設定とあまり違いはありません。割り当てるスマートグループを選択して「次へ」をクリックします。


「2 展開」は、センサーで設定したコマンドの実行タイミングを定義します。ここでは「定期的」にチェックを入れ、「保存」をクリックします。


3.動作確認

保存後、しばらく待つと定期的な同期タイミングでセンサーが実行され、その結果が収集されます。管理コンソール上で確認する場合、デバイスの詳細画面から「センサー」タブをクリックすると割り当てられたセンサーとその結果の一覧が表示できます。
今回は「Remote Login: Off」とリモートログインの設定状態が取得できました。


センサーの結果はデバイスの情報の1つとしてUEM管理コンソール上で確認することもできますが、Intelligenceのオートメーションのフィルターとしても利用ができますので、特定の設定が有効(または無効)になっているデバイスに対して何らかのアクションを自動化したい場合などにもセンサーを活用することができます。


また、今回はたった1行(1行どころか2単語ですね)のめちゃくちゃシンプルなコマンドで取得できる値を収集しましたが、スクリプトを作り込めばどんな情報でも取得できるといっても過言ではないかもしれません。
あまり複雑なことをやろうとするとWS1というよりはmacOSそのものに詳しくないといけないかもしれませんが。。。



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