Workspace ONE UEMにデバイスを加入すると、実に様々なデバイスの情報を取得することができますが、「センサー」という機能を使うことでより幅広い情報を取得することができるようになります。
「センサー」は簡単に言うと、デバイスに対してクエリコマンドとなるPowerShellスクリプトを投げつけ、そのコマンドの結果をデバイスの属性として収集する機能です。
今回は、「センサー」という機能を利用して、Windows 10のOSエディション(ProとかEnterpriseというアレです)を取得して、その情報を基にデバイスをグルーピングする、ということをやってみます。冒頭で様々な情報が取得できると書きましたが、実はデフォルトの状態だとOSのエディションまでは取得しないので、センサーで代用しようというワケです。
まずは、後程WS1 UEMのコンソールにアップロードするためのスクリプトを準備します。
今回は「OSのエディション情報を取得する」という内容のスクリプトを作成する必要があるので、以下のコマンドを「.ps1」という拡張子のファイルにして保存します。
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$reg=Get-ItemProperty “HKLM:/SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\”
write-output $reg.Productname
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【補足】
今回は自作しましたが、Githubで様々な用途のスクリプトが公開されていますので、ここから拝借するのもアリだと思います。(利用はあくまで自己責任ですが...)
次に、WS1 UEMの管理コンソールでセンサーを作成します。デバイス>プロビジョニング>カスタム属性>センサー に移動し、「追加」のプルダウンから「Windows」をクリックします。
以下の通り設定して「次へ」をクリックします。
名前 :適当な名前でよいのですが、以下気を付けてください。
-大文字は使えません
-記号はアンダースコアのみ
値タイプ:文字列
トリガ :スケジュール
以下を設定して「アップロード」をクリックし、初めに作成しておいたスクリプトファイルをアップロードします。
実行コンテキスト :システム
実行アーキテクチャ:自動
【補足】
下に入力できそうな箇所がありますが、ここに直接入力することはできません。
実行コマンドはスクリプト形式にしてアップロードする必要があります。
保存が完了したら、対象のセンサーにチェックを入れて、「割り当て」をクリックします。
対象のスマートグループの頭文字でも入れてもらえれば選択肢が出てくるため、選択して「割り当て」をクリックします。
【補足】
プロファイルなどと違い、割り当てられるのはスマートグループのみです。
次に、WS1 UEMでOSのエディションごとにデバイスをグルーピングするためのスマートグループを作成します。具体的には「タグ」を条件としたスマートグループを作成します。
まずは、タグを先に作っておきます。すべての設定>デバイスとユーザー>高度な設定>タグ に移動し、「タグを作成」をクリックし、名前は何でもいいのですが以下のようなタグを作成しておきます。
-Win10 Ent
-Win10 Pro
次に、タグを条件としたスマートグループを作成しておきます。
続いて、WS1 Intelligenceにてデバイスセンサーで取得した値をトリガーに自動的にアクションを実行するための設定を行います。Intelligenceのコンソール開いて、「自動化」をクリックします。
「自動化を追加」をクリックします。
カテゴリ>Workspace ONE UEM>デバイスセンサー をクリックします。
「使用開始」をクリックします。
「フィルタ(If)」で以下のルールを作成します。
「get_windows_edition」 「含む」 「Windows 10 Pro」
【補足】
一番左の欄の名前はWS1 UEM側で作成したセンサーの名前です。
「操作(Then)」の「+」をクリックし、「使用可能なコネクタ」で「Workspace ONE UEM」をクリックし、「タグをデバイスに追加」をクリックします。
タグIDにタグの識別子である数字を入力します。
タグIDの取得方法ですが、WS1 UEMコンソールのタグ一覧から対象のタグのリンクをコピーすると、末尾に一意に識別できる数字が付与されているので、それをコピーします。
最後に「自動化の有効化」をオンにして、「保存」をクリックします。
しばらく待って自動化アクションが実行されると、WS1 UEMコンソールのWindows 10デバイスにタグが自動で付与されます。
そして、タグが付与されると同時に事前に作成しておいた「Win10 Professional Group」というスマートグループのメンバーとなっていることが確認できますね。
今回はWorkspace ONE Intelligence利用の一例として「WS1 UEMで、OSのエディションごとにデバイスをグルーピングする」ということを自動化してみましたが、Intelligenceを利用すると他にも様々なサービスと連携することができますし、WS1 UEMに関しても実行できる自動化アクションがたくさん用意されてますので、現在手動で行っている運用業務を自動化することができるかもしれません。
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