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macOSでWorkspace ONE Tunnelによる社内システムアクセス


以前Windows10デバイスにてPer-App VPNにより社内システムを利用することができる、という内容の投稿をしました。(コチラ

macOSのデバイスでも同様にTunnelアプリを利用することでPer-App VPNが利用できるので、macOSでのセットアップと実際の使用感などを試してみます。
前提条件として、VMware Tunnelの構成とUAGのTunnelサービスの有効化は完了している状態とします。

大まかな流れは以下の通りです。
    1.Tunnelのデバイストラフィックルール設定とVPNプロファイル配信
    2.Tunnelアプリをインストール
    3.動作確認(Tunnel対象アプリでアクセス確認)
    Appendix.UEMに加入しているデバイスを持っていないユーザでログイン


1.Tunnelのデバイストラフィックルール設定とVPNプロファイル配信

必要な設定はWindows10のケースに近いです。TunnelのデバイストラフィックルールにてTunnel対象となるアプリのパスなど細かい値を定義するのと、VPNプロファイルの配信が必要になります。

Tunnel構成のデバイストラフィックルールを定義する必要がありますが、macOSの場合Tunnel対象のアプリを指定するためにこれだけの情報が必要になります。


[フレンドリ名]は任意の値でよいのですが、[パッケージID]と[指定要件]はアプリを定義するための一位の値をアプリごとに取得する必要があります。

今回はこの値をそれぞれ取得するためのツールを使います。
macOS用のTunnel設定では少々ややこしい値を取得する必要があるのですが、VMware Flingsというサイトに[App Finder for Tunnel]というありがたいツールが公開されており、これを使うと必要な値をサクッと取得することができます。(使用は自己責任で


まずはmacOSデバイスにTunnel App Finderをインストールし、起動します。見た目はかなりさっぱりした感じで、項目を見るとTunnel設定の画面と同じような項目が表示されています。


今回は試しにChromeでTunnelを利用したいと思いますので、FinderでChromeアプリを表示してTunnel App Finder上にドラッグ&ドロップします。


するとChromeの各種値が表示されます。


これをTunnel設定の項目に当てはめるとこうなります。
[パス]についてはどうやらコマンドラインツールでしか動作しないようなので設定しなくても問題ありません。[指定要件]は途中で切れてしまってますが、App Finderの[Requirements]の値を全選択してコピーします。


ここからは他のOSでTunnelを使用する場合と同様、対象アプリとアクションと宛先を指定して、[保存して公開]をクリックします。



2.Tunnelアプリをインストール

macOS用のTunnelアプリをインストールします。App Storeからゲットします。



3.動作確認(Tunnel対象アプリでアクセス確認)

Tunnelアプリの初回起動時はこんな感じの画面が表示されるので次へ次へと進めます。


すると、メニューバーに薄い色でTunnelのアイコンが表示されます。クリックすると「接続可能」という状態で、Tunnel対象としたアプリが起動するのを待ち構えている状態です。
「アプリのアクセス」という箇所をクリックすると、デバイストラフィックルールで設定したTunnel対象アプリのフレンドリ名が表示されます。


今回はChromeをTunnel対象アプリとして設定したので、Chromeを起動すると初回起動時はVPN通信に必要な証明書へのアクセス要求が表示されます。「常に許可」をクリックすると度々表示されるのを防ぐことができます。


証明書アクセス要求を許可すると、メニューバーのTunnelアプリの色が若干濃くなり、クリックすると「接続済み」というステータスに変わります。


接続確認のため外部ネットワークに公開していないWebサーバへのアクセスを試します。
右がChromeの画面で、このIIS画面は外部ネットワークに公開していないWebサーバのものですが、TunnelによりPer-App VPNをしているのでアクセスができています。
同じURLにSafariでアクセスしたのが左の画面で、こちらはTunnel対象として指定していないのでアクセスができません。



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