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Mobile FlowsでServiceNowと連携


前回、Mobile Flowsを利用する準備段階の構成までを記載しました(コチラ)ので、今回は実際にServiceNowと連携するところまでを記載します。


シナリオとして、ServiceNow側で行ったデバイス購入申請をIntelligent Hubで承認する、ということをやってみることでどんな感じの使い勝手なのか体感してみたいと思います。


ざっくりの流れは以下の通りです。
    1.ServiceNowでOAuthエンドポイントを作成
    2.WS1 UEMでMobile Flowsコネクターを設定
    3.動作確認
        3.1.Intelligent Hubで通知を有効化
        3.2.ServiceNowからデバイス購入申請を実施
        3.3.Intellligent Hubでリクエストを承認


1.ServiceNowでOAuthエンドポイントを作成

ServiceNowの管理コンソールで、[System OAuth]>[Application Registry]をクリック後、[New]をクリックします。


[Create an OAuth API endpoint for external clients]をクリックします。


以下の通り設定して[Submit]をクリックします。
(ClientID、Client Secretは勝手に生成してくれます。記載以外はデフォルトでOK)

Name

任意の値

Accessible from

All application scopes

Redirect URL

https://prod.hero.vmwservices.com/token-exchange/oauth2/callback

Refresh Token Lifespan

8,640,000

Access Token Lifespan

1,800




2.WS1 UEMでMobile Flowsコネクターを設定

Workspace ONE UEMのコンソール上で、[コンテンツ]>[Mobile Flows]をクリックします。


ServiceNowの「追加」をクリックします。


「ServiceNow フローを追加」画面で以下の通り設定し、「保存」をクリックします。(記載以外はデフォルトでOK、XXXXの箇所にはテナント固有の値を入れます。)

ベースURL

https://XXXX.service-now.com

認証タイプ

Authorization Code

client_id

ServiceNowOAuth endpointClientIDの値

client_secret

ServiceNowOAuth endpointCilentSecretの値

authorization_endpoint

https://XXXXX.service-now.com/oauth_auth.do

token_endpoint

https://XXXXX.service-now.com/oauth_token.do

scope

空欄




3.動作確認

3.1.Intelligent Hubで通知を有効化

Hubで通知を受け取るための事前準備として、通知の有効化を行います。どのアプリから承認をする場合でも、必ず通知の有効化は行う必要があります。ただし、同じユーザーであればいずれかのデバイスで有効化すれば、他のデバイスでも通知が有効化された状態になります。
例えば、iOSとAndroidデバイスを持っていてWeb版も利用できるというユーザーの場合、Web版で有効化すれば、iOSとAndroidのHubアプリにも通知は届くようになります。

今回はWebブラウザ版で有効化します。
承認者側のユーザでWebブラウザでWorkspace ONE Accessにログイン後、アカウントのアイコンをクリックし、「設定」をクリックします。


「通知の統合」でServiceNowのスイッチをオンにします。


シングルサインオンが実行されたのち、OAuthの承認画面が表示されるので、「Allow」をクリックします。
【補足】
青枠で囲っている箇所は、ServiceNow側で設定したOAuthエンドポイントの名前です。


もしこんな感じの画面が出たら、このタブは閉じます。


ServiceNowの通知のスイッチがオンになりました。


3.2.ServiceNowからデバイス購入申請を実施

リクエストする側のユーザでServiceNowにログインし、「Self Service」>「Service Catalog」>「Hardware」をクリックします。


Macbook Proをクリックします。


「Order Now」をクリックします。


Requestが作成されます。


Requestの詳細を見ると、「Approval」のステータスが「Requested」になっています。
ついでに、「Number」の値を確認しておきます。(あとで承認者役のユーザーで承認するときに突き合わせて確認します。)



3.3.Intellligent Hubでリクエストを承認

Webブラウザを開き、承認者役のユーザーでWorkspace ONE Accessにログイン後、「通知」タブをクリックするとApproval Requestが来ています。
「さらに詳しく」をクリックして詳細を見てみます。


リクエストする側のユーザーが「Requester」に表示され、リクエストNo.も一致してます。
「APPROVE」をクリックします。


ステータスが「APPROVED」に変わります。


リクエストする側のユーザーでServiceNowに再度ログインし、先ほどのリクエストの詳細を見ると「Approval」のステータスが「Approved」となり、Intelligent Hubで承認ボタンをポチったユーザがApproveしたことが確認できます。



今回はServiceNowのデベロッパーインスタンスにデフォルトで備わっていて、なおかつ試しにやってみやすそうだったため、デバイス購入申請を承認するというシナリオで検証しましたが、おそらくデバイス購入申請に限らず様々なケースで同じような使い方ができるんだと思います。(このあたりはServiceNow側も少し使ってみないとわからず...)


Intelligent HubはMDMエージェントであるだけでなく、ワークフローの承認などにも使えてしまう、という機能の検証でした。


他にも様々なサービスと連携ができそうなので、いつか別のサービスでも検証してみたいと思います。

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