スキップしてメイン コンテンツに移動

Workspace ONE AccessにTouch IDでログイン


WS1 Accessにはちょくちょく新しい認証方法が追加されており、FIDO2認証TOTP認証などはここ数年で追加された認証方法です。


今回試す新たな認証方法はモバイルSSO(Apple版)というもので、これまでもモバイルSSO(Android版)、モバイルSSO(iOS版)というものがありましたが、それに近しい何かを感じますね。


題名の「Touch IDでログイン」というのは、モバイルSSO(Apple版)では追加の認証方法としてTouch IDを利用することができるため、今回はそれを試すことでモバイルSSO(Apple版)の設定に必要な操作や使用感などを確かめてみたいと思います。


ちなみに「Touch IDでログイン」とは言ったものの、実際にはTouch IDと同時に証明書認証も行われているため、パスワードレスでありつつセキュアな認証方法であると言えます。


大まかな流れは以下の通りです。
    1.WS1 UEMのルート証明書を取得
    2.WS1 AccessでモバイルSSO(Apple版)の設定
    3.モバイルSSO用のプロファイル配信
    4.動作確認(モバイルSSO(Apple版)でログイン)


1.WS1 UEMのルート証明書を取得

WS1 UEMの管理コンソールにログイン後、「すべての設定」>「システム」>「エンタープライズ統合」>「Workspace ONE Access」>「構成」をクリックし、その後証明書の「エクスポート」をクリックします。



2.WS1 AccessでモバイルSSO(Apple版)の設定

WS1 Accessの管理コンソールにログイン後、「統合」>「認証方法」をクリックし、「モバイルSSO(Apple版)」にチェックを入れ、「構成」をクリックします。


「証明書アダプタを有効にする」をオンにします。
ルートおよび中間CA証明書には、前の手順で取得したWS1 UEMのルート証明書をアップロードします。そして「Device Auth Type」は今回はTouch IDのみを追加認証方法として使うため「biometric」を選択しておきます。


IDプロバイダ設定でも忘れずにモバイルSSO(Apple版)を有効化しておきます。


あと、これも忘れずにポリシー内でモバイルSSO(Apple版)を有効化します。



3.モバイルSSO用のプロファイル配信

UEMの管理コンソールで[リソース]>[プロファイル]をクリック後、[追加]>[プロファイルを追加]をクリックします。


プラットフォームは「Apple iOS」をクリックします。


コンテキストは「デバイスプロファイル」をクリックします。


「SCEP」ペイロードを追加し、以下の通り設定します。
 -資格情報ソース:AirWatch認証局
 -認証局:AirWatch Certificate Authority
 -証明書テンプレート:Single Sign-On


「シングルサインオン拡張機能」ペイロードを追加し、以下の通り設定します。
 -機能拡張タイプ:WS1 ACCESS
 -ホスト:WS1 AccessテナントのFQDN
【補足】
「許可済みのバンドルID」でモバイルSSOを実行できるアプリを特定のもののみに制限することができますが、今回は特に指定していません。


以上を設定したらプロファイルをグループに割り当て、デバイスに配信されたことを確認します。



4.動作確認(モバイルSSO(Apple版)でログイン)

モバイルSSO(Apple版)でログインするにはIntelligent Hubが必須なので、HubがiOSデバイスにインストールされていることを確認します。


ブラウザでWS1 Accessにアクセスし、ユーザー名を入力後「次へ」をタップします。


するとブラウザ内にポップアップが出て、認証の処理が始まります。これはモバイルSSO(iOS版)では表示されなかったものです。


Touch IDの入力が求められました。「Hub」がこの処理をしているようです。


デバイス側でTouch IDを実行すると認証処理が続きます。


認証処理が完了するとログインが完了し、WS1 Accessのポータル画面が表示されました。


WS1 Accessのログを見るとAppleMSSOでログインしたというログが出ています。


これまでも「モバイルSSO(iOS)」という認証方法がありました。若干ややこしい初期設定さえすれば特に問題なく動きますが、「モバイルSSO(Apple)」ではApple純正のSSO機能を利用するようにしているようです。

また、こちらの方の場合裏で動いている証明書認証に加えてTouch IDなどの生体認証を利用することもできるので、パスワード認証がないことでより便利にしつつ、かつセキュアに利用することが出来そうです。




コメント

このブログの人気の投稿

Workspace ONE Accessに証明書認証でログイン

Workspace ONE AccessではSaaSなどのサービスへのアクセス管理ができますが、クライアント証明書認証の機能も備わっています。 ここでは、Workspace ONE UEMから配信した証明書を使用して、Workspace ONE Accessに証明書認証でログインする、ということをやってみます。 まずは、Workspace ONE UEMコンソールでの作業です。 すべての設定>システム>エンタープライズ統合>Workspace ONE Access>構成 へ移動し、「 エクスポート 」をクリックしてAirWatch認証局のルート証明書をエクスポートします。 次に、Windows向けにWorkspace ONE Access認証用証明書プロファイルを作成してデバイスに対して配信します。 SCEPペイロードを選択し、「 資格情報ソース 」は「 AirWatch認証局 」を選択します。証明書テンプレートは「 証明書(クラウド展開) 」です。 【補足】 上記のプロファイルで配信した証明書は 秘密キーのエクスポートができない ようになっているため、使い回しを防ぐことができます。つまり、私用のデバイスにインポートし直してログインしてしまおう...ということはできない仕組みになっているワケですね。 次はWorkspace ONE Accessの管理コンソールでの作業です。 IDとアクセス管理>管理>認証方法をクリックし、「 証明書(クラウドデプロイ) 」の設定を変更します。(UEMのプロファイルで選択した証明書テンプレートと同じ名前ですね。若干の誤差はありますが...) 始めに、「 証明書アダプタを有効にする 」にチェックを入れ、「 ルートおよび中間CA証明書 」のところには先ほどWorkspace ONE UEMからエクスポートした証明書をアップロードし、「 証明書の失効を有効にする 」にもチェックを入れておきます。 【補足】 公的認証局であっても、ここでルート証明書をアップロードしない限り証明書認証はできないので、今回の例では Workspace ONE UEM内部の認証局から発行されている証明書以外では認証できない 構成にすることができます。 少し下にスクロールして「 OCSPの失効を有効にする 」にチェックを入れ、「 OCSPレスポンダの署名証明書 」には

Workspace ONE AccessでOpenID Connect連携

Workspace ONE Accessはその名の通りSaaSなどへのアクセス管理をすることができる製品ですが、Identity Providerの役割を果たすことも可能で、以下のフェデレーションプロトコルに対応しています。  -WS-Federation  -SAML  -OpenID Connect WS-FederationはOffice365と連携する際などに利用したりするヤツですね。 個人的な感覚では、クラウドサービスはSAML認証に対応しているものが多いのでWorkspace ONE Accessと認証連携する場合、SAMLを利用するケースが一番多い気がします。 また、設定ガイド( SAML ベース SSO 統合のドキュメント センター )なんかも公開されており、連携のハードルは比較的低いと思います。 一方で、OpenID Connectの利用に関してはかなり情報が少ない気がしてます... ただ、OpenID Connectも認証連携の仕組みとしては代表的なものの一つではありますので、今回はOpenID Connectを使用してWorkspace ONE Accessと認証連携をしてみたいと思います。(連携先のサービスにはRedmineを使用します。) まずはWorkspace ONE Accessの管理コンソールでの作業です。 カタログ>Webアプリケーション とクリックして、Workspace ONE Accessのアプリカタログに載せるWebアプリの一覧を開き、「 新規 」をクリックします。 「 名前 」に入力した値はそのままユーザーのアプリカタログに表示されるので、わかりやすい名称にします。入力したら次に進みます。 【補足】 いくつかのサービスは連携用のテンプレートがあり、「 またはカタログから参照 」をクリックすることで利用が可能です。今回使用するRedmineについても、SAML連携であればテンプレートがあるので比較的カンタンに設定できると思います。 まずは、「認証タイプ」で「 OpenID 接続 」を選びます。(おそらくOpenID Connectが訳されているのでしょうが、何か違うような...) すると、OpenID Connect連携用の設定項目が現れるので、各設定を入れていきます。 「 クライアントID 」と「 クライアント シークレ

Workspace ONE AccessからServiceNowにシングルサインオン(SAML)

以前、Workspace ONEと他システム間で、 OpenID Connect で連携する内容をポストしましたが、今回は SAML を利用したシングルサインオンの構成を検証してみました。 ServiceNow と SAML連携 して、WS1のポータルからシングルサインオンする構成を試してみます。 大枠の流れとしては以下の通りです。      1.ServiceNow(SP)のSAML認証設定          1.1. WS1 AccessからSAML連携に必要な情報を取得           1.2.SAML認証設定      2.WS1 Access(IDP)でSAML認証設定      3.動作確認 1.ServiceNow側(SP)でSAML認証設定 まずは、今回の構成ではSP(Service Provider)となるServiceNow側でSAMLによるシングルサインオンを可能とするように構成します。 1.1.WS1 Accessから S AML連携に必要な情報を取得 まずは、WS1 AccessのIDPメタデータのURLを取得します。 [カタログ]>[Webアプリケーション]をクリック後、[設定]をクリックします。 左ペインから[SAMLメタデータ]をクリック後、IDPメタデータの[URLをコピー]をクリックします。 クリップボードにコピーされるので、テキストエディタにでも貼り付けておきます。 次に、WS1 AccessのIDP署名証明書を取得します。 左ペインから、[SAMLメタデータ]をクリック後、署名証明書の[ダウンロード]をクリックします。 こんなファイルがダウンロードされます。 1.2.SAML認証設定 続いて、ServiceNow側のSAML認証設定を行います。 ServiceNowの管理コンソールにログインし、検索バーに[saml]と入力後、[SAML2 Single Sign-On]配下の[Certificate]をクリックします。 後で、使用するため先ほどダウンロードした、[signingCertificate.cer]をテキストエディタで開いておきます。 証明書の一覧画面で、[New]をクリックします。 Nameに[SAML 2.0]と入力して下にスクロールします。 PEM Certificateに先ほどテキストエディタで開い