スキップしてメイン コンテンツに移動

Workspace ONE UEMへの加入時についでにAD参加


Workspace ONE UEMではWindows10デバイスを管理することができますが、オンプレ側の管理基盤としてActive Directoryを利用するケースも非常に多いと思います。

昨今ゼロタッチデプロイの仕組みも普及してきていると思いますが、オンプレADへの参加をしないといけない場合は一度社内NWに接続してドメイン参加させる、という工程を踏む必要があるケースも多く、なかなか完全な「ゼロタッチ」を成立させることが難しい部分もあるかと思います。

WS1 UEMではデバイスの加入時に同時にADに参加させるという機能が存在します。

いわゆるオフラインドメイン参加という仕組みを利用するのですが、実際にどのような動きになるのか見てみる意味もこめて、動作を確認してみました。

大まかな流れは以下の通りです。
    1.UEMで「ドメイン参加」構成を有効化
    2.ACCサービスの実行アカウントをADアカウントに変更
    3.動作確認

1.UEMで「ドメイン参加」構成を有効化

UEMの「構成」ページで「ドメイン参加」をクリックします。


ドメイン参加構成の一覧が表示されるので「追加」をクリックします。


各種設定を入力し、「保存して割り当て」をクリックします。
【補足】
「マシン名の形式」ですが、この構成を利用してドメイン参加したマシンはここで指定した値に基づいてドメイン参加時にホスト名が更新されます。画像の例だと、「ランダムな9文字の文字列」でホスト名が自動的に設定されることとなります。


割り当ての各種設定を入力していきます。
「組織ユニット」は文字列を入力すると、ADに対して検索が実行され、該当するOUが候補として表示されるため、選択します。「割り当てグループ」はこの構成を割り当てる対象のUEM上のスマートグループを選択します。
設定ができたら「作成」をクリックします。


設定内容を確認し、「保存」をクリックします。


2.ACCサービスの実行アカウントをADアカウントに変更

WS1 UEMによるドメイン参加を利用するためには、ACCサービスの実行アカウントをADアカウントにする必要があります。これはACCサービスがAD上にコンピュータアカウントを作成するためです。
細かく言うと必要な最小限の権限があるのですが、ここでは動作確認のためDomain Adminsのアカウントを使用します。



3.動作確認

動作確認としては、Win10デバイスをUEMに加入することにより「ホスト名が更新され、ドメイン参加状態となること」と「AD側にもドメイン参加状態が反映されていること」を確認します。

まずは「ホスト名が更新され、ドメイン参加状態となること」ですが、加入の流れはドメイン参加構成が割り当てられていない場合(つまり通常の場合)と全く変わらないためここでは割愛します。加入前のドメイン参加状態やホスト名だけ確認しておくとWORKGROUPの状態で、ホスト名もセットアップすると勝手に設定される初期値となっています。


加入処理を完了後は、手動でドメイン参加やコンピューター名の変更などを行った時と同じように再起動が必要になります。再起動後はサインイン先がADドメインとなっているため、ドメインユーザでログインします。


ログイン後に改めてホスト名を確認すると、フルコンピューター名のホスト名部分がドメイン参加構成にて設定した「ランダムな9文字の文字列」となっていることが確認できます。また、ドメインについてもドメイン参加構成にて指定したドメインに参加している状態となっています。


デバイス側ではドメイン参加が完了していることが確認できましたので、AD側でもドメイン参加の処理が正常に完了しているか確認します。
ドメインコントローラにて、管理ツールであるActive Directoryユーザーとコンピューターを開き、UEMのドメイン参加構成で指定したOUを開きます。すると、先ほどデバイス側で確認したホスト名と一致するコンピュータアカウントが作成されていることが確認できます。



ここまでで、Win10デバイスをUEM加入する際にADドメインにも参加する、ということが実現できました。ただ、しれっとドメイン参加後にドメインユーザーでログインする、と書いてしまいましたが、ADと直接アクセスができない状態でUEMに加入(=ドメインにも参加)した場合、初回ログインをどうするかという点は考慮が必要です。

なぜなら、UEMの仕組みを使うことによりドメイン参加自体はADと直接通信ができなくても行うことができますが、初回ログイン時にはどうしてもADとの通信が必要になるからです。(次回以降のログインはキャッシュにより行えますが...)

この辺りがクリアにならないと、やはりキッティング時には一度会社に出向いて社内ネットワークに接続しないといけないね、という話になってしまいますが、Tunnel機能を利用することでこの点についても対応が可能なので、次回辺りで記載したいと思います。


コメント

このブログの人気の投稿

Workspace ONE Accessに証明書認証でログイン

Workspace ONE AccessではSaaSなどのサービスへのアクセス管理ができますが、クライアント証明書認証の機能も備わっています。 ここでは、Workspace ONE UEMから配信した証明書を使用して、Workspace ONE Accessに証明書認証でログインする、ということをやってみます。 まずは、Workspace ONE UEMコンソールでの作業です。 すべての設定>システム>エンタープライズ統合>Workspace ONE Access>構成 へ移動し、「 エクスポート 」をクリックしてAirWatch認証局のルート証明書をエクスポートします。 次に、Windows向けにWorkspace ONE Access認証用証明書プロファイルを作成してデバイスに対して配信します。 SCEPペイロードを選択し、「 資格情報ソース 」は「 AirWatch認証局 」を選択します。証明書テンプレートは「 証明書(クラウド展開) 」です。 【補足】 上記のプロファイルで配信した証明書は 秘密キーのエクスポートができない ようになっているため、使い回しを防ぐことができます。つまり、私用のデバイスにインポートし直してログインしてしまおう...ということはできない仕組みになっているワケですね。 次はWorkspace ONE Accessの管理コンソールでの作業です。 IDとアクセス管理>管理>認証方法をクリックし、「 証明書(クラウドデプロイ) 」の設定を変更します。(UEMのプロファイルで選択した証明書テンプレートと同じ名前ですね。若干の誤差はありますが...) 始めに、「 証明書アダプタを有効にする 」にチェックを入れ、「 ルートおよび中間CA証明書 」のところには先ほどWorkspace ONE UEMからエクスポートした証明書をアップロードし、「 証明書の失効を有効にする 」にもチェックを入れておきます。 【補足】 公的認証局であっても、ここでルート証明書をアップロードしない限り証明書認証はできないので、今回の例では Workspace ONE UEM内部の認証局から発行されている証明書以外では認証できない 構成にすることができます。 少し下にスクロールして「 OCSPの失効を有効にする 」にチェックを入れ、「 OCSPレスポンダの署名証明書 」には

Workspace ONE AccessでOpenID Connect連携

Workspace ONE Accessはその名の通りSaaSなどへのアクセス管理をすることができる製品ですが、Identity Providerの役割を果たすことも可能で、以下のフェデレーションプロトコルに対応しています。  -WS-Federation  -SAML  -OpenID Connect WS-FederationはOffice365と連携する際などに利用したりするヤツですね。 個人的な感覚では、クラウドサービスはSAML認証に対応しているものが多いのでWorkspace ONE Accessと認証連携する場合、SAMLを利用するケースが一番多い気がします。 また、設定ガイド( SAML ベース SSO 統合のドキュメント センター )なんかも公開されており、連携のハードルは比較的低いと思います。 一方で、OpenID Connectの利用に関してはかなり情報が少ない気がしてます... ただ、OpenID Connectも認証連携の仕組みとしては代表的なものの一つではありますので、今回はOpenID Connectを使用してWorkspace ONE Accessと認証連携をしてみたいと思います。(連携先のサービスにはRedmineを使用します。) まずはWorkspace ONE Accessの管理コンソールでの作業です。 カタログ>Webアプリケーション とクリックして、Workspace ONE Accessのアプリカタログに載せるWebアプリの一覧を開き、「 新規 」をクリックします。 「 名前 」に入力した値はそのままユーザーのアプリカタログに表示されるので、わかりやすい名称にします。入力したら次に進みます。 【補足】 いくつかのサービスは連携用のテンプレートがあり、「 またはカタログから参照 」をクリックすることで利用が可能です。今回使用するRedmineについても、SAML連携であればテンプレートがあるので比較的カンタンに設定できると思います。 まずは、「認証タイプ」で「 OpenID 接続 」を選びます。(おそらくOpenID Connectが訳されているのでしょうが、何か違うような...) すると、OpenID Connect連携用の設定項目が現れるので、各設定を入れていきます。 「 クライアントID 」と「 クライアント シークレ

Workspace ONE AccessからServiceNowにシングルサインオン(SAML)

以前、Workspace ONEと他システム間で、 OpenID Connect で連携する内容をポストしましたが、今回は SAML を利用したシングルサインオンの構成を検証してみました。 ServiceNow と SAML連携 して、WS1のポータルからシングルサインオンする構成を試してみます。 大枠の流れとしては以下の通りです。      1.ServiceNow(SP)のSAML認証設定          1.1. WS1 AccessからSAML連携に必要な情報を取得           1.2.SAML認証設定      2.WS1 Access(IDP)でSAML認証設定      3.動作確認 1.ServiceNow側(SP)でSAML認証設定 まずは、今回の構成ではSP(Service Provider)となるServiceNow側でSAMLによるシングルサインオンを可能とするように構成します。 1.1.WS1 Accessから S AML連携に必要な情報を取得 まずは、WS1 AccessのIDPメタデータのURLを取得します。 [カタログ]>[Webアプリケーション]をクリック後、[設定]をクリックします。 左ペインから[SAMLメタデータ]をクリック後、IDPメタデータの[URLをコピー]をクリックします。 クリップボードにコピーされるので、テキストエディタにでも貼り付けておきます。 次に、WS1 AccessのIDP署名証明書を取得します。 左ペインから、[SAMLメタデータ]をクリック後、署名証明書の[ダウンロード]をクリックします。 こんなファイルがダウンロードされます。 1.2.SAML認証設定 続いて、ServiceNow側のSAML認証設定を行います。 ServiceNowの管理コンソールにログインし、検索バーに[saml]と入力後、[SAML2 Single Sign-On]配下の[Certificate]をクリックします。 後で、使用するため先ほどダウンロードした、[signingCertificate.cer]をテキストエディタで開いておきます。 証明書の一覧画面で、[New]をクリックします。 Nameに[SAML 2.0]と入力して下にスクロールします。 PEM Certificateに先ほどテキストエディタで開い